*道を説くうさぎ(宇治神社) [伝説のうさぎ]

mik.jpg京都の宇治(うじ)は、むかしは「莵道(うじ)」と書かれたように、うさぎ(菟=兎)とゆかりの深い土地。
宇治川東岸に鎮座する宇治神社の案内板には、こんな一匹の白うさぎが描かれています(写真)。祭神である「莵道稚郎子(うじのわきいらつこ)」のお使いとされる「みかえり兎」です。
社の周辺は、かつて伝説の皇子(莵道稚郎子)が住んでいたといわれる場所。 第15代・応神天皇の末の皇子であったその人は、兄(
仁徳天皇)に皇位を譲ってこの地(宇治)で隠棲ののち自害したと
も、即位してここで一時皇居を構えたともいわれます。
その莵道稚郎子が兄との皇位争いを避けて宇治へむかわれたさい、道に迷って困っていると、どこからともなくあらわれたのが一匹のうさぎ。あとを追って歩く皇子を気遣うように振り返りながら跳ね進み、正しい道を教えてくれたという伝説があるそうです。
この「みかえり兎」伝説こそ「莵道」の地名の起源とするのが一般的に有力とされる説。しかし、莵道稚郎子が歴史に登場する前から宇治は「莵道」と書かれることがあったのだという説もあり、地名の謎はまだ明らかにされてはいません。史実や学説はどうあれ、この素敵な伝説が宇治神社では今も大切に信仰されていることはたしか。賢者の皇子を助けた「みかえり兎」は、人びとを正しい道へ導く神さまのお使いとされています。うさぎ好きにとっても誇らしい神(英雄)うさぎなのです。

【記事の参考にさせていただいた資料】
・『宇治市史1』宇治市役所発行(S49.7)
・『宇治の歴史と文化』宇治市歴史資料館編. 宇治市教育委員会発行(S63.7)
・『地名探求』京都地名研究会会誌 第6号(H.20.6)より
 「研究 / 菟道と菟道稚郎子について」尾崎聖二朗

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やさしい宇治の歴史―付・宇治茶の歴史

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