*うさぎのお干菓子(甘春堂) [美味うさぎ]

ksd3.jpgksd1.jpg














「うさぎのかたちをした落雁(らくがん)で、『福うさぎ』っていうの、置いてはりますか?」
お店を訪ねると、若い店員さんが笑顔で進み出てきて、手で示してくださいました。
「はい!あります。お箱入りもありますし、こんなふうにバラでもご用意できます…」

お店の外からはわからなかったけれど、こぢんまりした店内の西側には小さな引き出しがいっぱい。
中には色とりどりの可愛いお干菓子がきちんと整とんされて入っています。
うさぎ、たぬき、ふくろうなど、縁起のいい動物のかたちをしたもの、桃や桜、桔梗、菊、紅葉など、季節の草花をかたどったもの、おひなさまや鯉のぼり、ピンクや白のハートまであります。
なんて可愛い光景。入ってみてよかった!と、うれしくなりました。
このたくさんの小さな引き出しのなかから、すきなお干菓子を選んでラッピングしてもらうことができるのです。まるで、可愛い雑貨屋さんでアクセサリーパーツかアンティークボタンでも選ぶように。

写真は、落雁のうさぎ(右下の目の赤いもの)と和三盆(わさんぼん)の干支紅白『卯』。
「落雁と和三盆は、どうちがうのですか?」という質問にも、「食べてみていただくとよくわかりますね」と味見させてくださり、美味しいお茶まで入れていただきました。
「和三盆」はその名のとおり、和三盆糖という高級なお砂糖をかためたお干菓子。お砂糖のみと聞くと相当な甘さを想像しますが、じっさい口に含んでみると、いがいなほどさっぱりとやさしい甘さ。きめ細やかで口溶けがよく、とても上品なお菓子です。
「落雁」は米粉とお砂糖を混ぜてかためたもので、少し穀物の風味を感じます。食感も、和三盆の淡雪のような口溶けとくらべるとすこし荒いかんじ。食べくらべてみると、はっきりとちがいがわかりました。
ずっと「落雁」と「和三盆」はどちらもお干菓子の別名で同じものだと思っていたので、今回本当にいい勉強をさせていただきました。

この京菓子司・甘春堂さんは慶応元年(1865)創業の老舗。家伝の献上菓『茶寿器(ちゃじゅのうつわ)』という、干菓子でできたお抹茶茶碗で有名です。ちょっと敷居が高いかんじがしていたのですが、この来店でイメージが一変しました。小さな宝物みたいに可愛い、そしてやさしい甘さの美味しいお干菓子たちを、こんなに気軽に楽しみながら買うことができるなんて素敵です。

ksd4.jpgksd2.jpg









(!)このサイトの企画および、画像・文章などのデータは、森うさぎの著作物です。
 無断転用は禁止します。必ず事前にお問い合わせください。


にほんブログ村 旅行ブログ 京都旅行へにほんブログ村 うさぎブログ うさぎ情報へ
にほんブログ村

------------------------------------------------------------------------------------------------

和菓子の四季―全国から選んだ、茶席の名菓230品 (淡交ムック―茶の湯入門シリーズ)

和菓子の四季―全国から選んだ、茶席の名菓230品 (淡交ムック―茶の湯入門シリーズ)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 淡交社
  • 発売日: 2003/07
  • メディア: 大型本



nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。