*宇治と莵道とうさぎ [地名に生きるうさぎ]
京都には岡崎のほかにも、もうひとつ「うさぎ」とゆかりの深い地があります。
洛南の茶処として有名な宇治は、むかし「莵道」と書いて「うじ」と読んだそう。
莵(うさぎ)の道(みち)と聞けば、かつてこのあたりにも野生のうさぎたちがよほどたくさんいたの
だろうかと想像します。今なお緑豊かで閑静なこの地に立てば、なるほどそれもうなづけると多くの人
が思うでしょう。
この「莵道(うじ)」の地名の起源は諸説あって明らかではないのですが、地元でもよく知られる一説
に「莵道稚郎子(うじのわきいらつこ)」という人物とのかかわりがあります。
莵道稚郎子は、第15代・応神天皇の末の皇子(おうじ)でした。
『日本書紀』によると、応神天皇の没後、この莵道稚郎子が宇治に「莵道宮」という住まいを置かれた
とあるそうです。宇治川の東岸に建つ宇治神社と宇治上神社には、菟道稚郎子が祭神として祀られてい
ます。また、この皇子が宇治へ来られるさい、道に迷っていると一匹のうさぎがあらわれて道案内をし
たという伝説もあります。
今も宇治川沿いの一帯には「莵道 (とどう) 」
の地名が残り、散策中にちょっと注意して見
れば、道路標識や施設の表札に「莵道」の文
字を発見することができるでしょう。
右の画像は「宇治莵道郵便局」の風景印。
世界遺産・宇治上神社とシンボルのうさぎが
デザインされています。京阪電車三室戸駅の
線路沿いを北へ少し歩けば見つかる小さな郵
便局。宇治、三室戸を訪れたさいには、ちょ
っと立ち寄ってみてはいかがでしょう。旅先
から友人に出す絵はがきに捺印してもらった
り、自分宛にも書しておげば、あとで届くの
が楽しみ。莵道うさぎの風景印が押された宇
治からの便り、きっといい記念になりますよ。
【記事の参考にさせていただいた資料】
・『宇治市史1』宇治市役所発行(S49.7)
・『地名探求』京都地名研究会会誌 第6号(H.20.6)より
「研究 / 菟道と菟道稚郎子について」尾崎聖二朗
(!)このサイトの企画および、画像・文章などのデータは、森うさぎの著作物です。
無断転用は禁止します。必ず事前にお問い合わせください。
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洛南の茶処として有名な宇治は、むかし「莵道」と書いて「うじ」と読んだそう。
莵(うさぎ)の道(みち)と聞けば、かつてこのあたりにも野生のうさぎたちがよほどたくさんいたの
だろうかと想像します。今なお緑豊かで閑静なこの地に立てば、なるほどそれもうなづけると多くの人
が思うでしょう。
この「莵道(うじ)」の地名の起源は諸説あって明らかではないのですが、地元でもよく知られる一説
に「莵道稚郎子(うじのわきいらつこ)」という人物とのかかわりがあります。
莵道稚郎子は、第15代・応神天皇の末の皇子(おうじ)でした。
『日本書紀』によると、応神天皇の没後、この莵道稚郎子が宇治に「莵道宮」という住まいを置かれた
とあるそうです。宇治川の東岸に建つ宇治神社と宇治上神社には、菟道稚郎子が祭神として祀られてい
ます。また、この皇子が宇治へ来られるさい、道に迷っていると一匹のうさぎがあらわれて道案内をし
たという伝説もあります。
今も宇治川沿いの一帯には「莵道 (とどう) 」
の地名が残り、散策中にちょっと注意して見
れば、道路標識や施設の表札に「莵道」の文
字を発見することができるでしょう。
右の画像は「宇治莵道郵便局」の風景印。
世界遺産・宇治上神社とシンボルのうさぎが
デザインされています。京阪電車三室戸駅の
線路沿いを北へ少し歩けば見つかる小さな郵
便局。宇治、三室戸を訪れたさいには、ちょ
っと立ち寄ってみてはいかがでしょう。旅先
から友人に出す絵はがきに捺印してもらった
り、自分宛にも書しておげば、あとで届くの
が楽しみ。莵道うさぎの風景印が押された宇
治からの便り、きっといい記念になりますよ。
【記事の参考にさせていただいた資料】
・『宇治市史1』宇治市役所発行(S49.7)
・『地名探求』京都地名研究会会誌 第6号(H.20.6)より
「研究 / 菟道と菟道稚郎子について」尾崎聖二朗
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