*「ウサギの日本文化史」(赤田光男 著) [うさぎの本]

ウサギの日本文化史 (SEKAISHISO SEMINAR)
2月になりました。干支の「卯」は、旧暦の2月。
今月は「うさぎの月」なんですね。
京都・洛北の花背の里では、2月の“山の神の日”に白うさぎが稲の種をまくといわれ、白うさぎは狩らないという風習があったそうです。
これは『ウサギの日本文化史』という本(写真)からのエピソード。
京都の岩倉にある学術・教養書専門の出版社、世界思想社から1997年に初版発行さ
れたこの本は、タイトルどおり日本の文化史研究から「うさぎ」という動物にアプロ
ーチした、ちょっと珍しい学術書です。
一般娯楽書のように簡単に読み流せる「可愛いうさぎの本」ではありませんが、日本の歴史や民俗学に興味のある人なら「なるほど」「おもしろい」とうなづくことが多いはず。
うさぎは不思議な生き物です。農耕社会であった昔の日本では、田畑を荒らす害獣であったはずですが、狩られたうさぎの肉は、糧の少ない山村で人々に貴重な山の幸を提供してきました。そしてまたあるときは、神さまのお使いとして崇められもします。また近世では遊里に通う遊客を「うさぎ」と呼んだとか。人目をさけて羽織を頭からすっぽりかぶった姿がうさぎに似ていたからだそうです。明治初期には、西洋文化の影響を受けて外来のカイウサギが珍重され、愛玩用としてのうさぎ飼育の大流行が起こったそう。あまりの人気で価格が高騰し、値の変動をあやつる悪徳商人が暗躍し、ついには、うさぎ飼育を統制する法令までできたというから驚きです。そんな、うさぎと日本人の古来のかかわりあいがわかる希少な1冊、うさぎ好き必携のバイブルです。

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