うさぎの本 ブログトップ
前の5件 | -

*「うさぎ駅長 もっちぃがゆく!」(写真/藤本雅秋) [うさぎの本]

          
今年はじめにテレビや雑誌でよく紹介された、山形鉄道・フラワー長井線宮内駅の「うさぎ駅長」。
「東北の人気No.1“鉄ドル”(帯文より)」もっちぃの写真集が6月24日に発売されました。

かねてから気になっていた、うさぎ駅長もっちぃ。
会いに行きたし、山形は遠し……という、全国のうさぎ好きにうれしい1冊です。これを見れば、もっちぃの可愛さはもちろん、うさぎ駅長誕生の経緯、うさぎ駅長とうさぎ駅員たちの毎日のお仕事、うさぎ駅長のプライベートなど、不思議可愛い「うさぎ駅長」の全貌が明らかに。「わだすの働きっぷりを見でね!」と全編東北弁で語りかけてくれるもっちぃのセリフを読みつつ、ローカルな魅力あふれる長井線各駅の写真を見ていると、まるで会いに行ったみたいな気分になれます。

しかしこの「うさぎ駅長」、卯年にちなんだ話題づくりではなかったんですね。
本書の「もっちぃヒストリー」が非常に興味深い。山形鉄道は1988年、旧国鉄路線の第3セクターとして開業したそうです。しかし1990年頃には少子化などによる乗客減少から経営難に。2008年末になって会社を一新し、社長を公募することを発表。2009年に就任した現在の社長さんは、公募で熱意を買われた旅行代理店出身の方だそうです。そして翌年の2010年8月、うさぎ駅長を採用。沿線に「白兎駅」と「幸せを呼ぶ三羽のうさぎ伝説」を持つ熊野大社があることから、「うさぎとゆかりの深い沿線」として多くの人に親しんでもらえるように。
この「うさぎ駅長」のアイデア、じつは同年の春に入社したばかりの新入女性社員によるものでした。
農業高校出身で牧場勤務経験もある動物好きの彼女は、面接で「駅にミニ動物園をつくりたい」というユニ
ークな企画を語り、その発想力と経験を買われて採用されたそうです。
「うさぎ駅長」誕生のヒストリーはおとぎ話なんかじゃなく、ちょっとした「プロジェクトX」だったんですね。

【記事の参考にさせていただいたサイト】
▼山形鉄道ホームページ
http://www.flower-liner.jp/index.html

(!)このサイトの企画および、画像・文章などのデータは、森うさぎの著作物です。
 無断転用は禁止します。必ず事前にお問い合わせください。


にほんブログ村 旅行ブログ 京都旅行へにほんブログ村 うさぎブログ うさぎ情報へ
にほんブログ村

------------------------------------------------------------------------------------------------

うさぎ駅長もっちぃがゆく!

うさぎ駅長もっちぃがゆく!

  • 出版社/メーカー: マガジンランド
  • 発売日: 2011/06/25
  • メディア: 大型本


nice!(4)  コメント(2) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

*「エスターハージー王子の冒険」 [うさぎの本]

eh.jpgイレーネ・ディーシェ&
ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー共作
ミヒャエル・ゾーヴァ絵
須田淳&木本栄 共訳 評論社(1999.10)

「ハージー」はドイツ語で「ウサちゃん」という意味。
主人公「エスターハージー」はオーストリアの名門うさぎ貴族
の王子で、都市生活と食の乱れから体格が極端に小型化してし
まった一族の存亡をかけて、外国(ドイツ)へ「できるだけ体
の大きなお嫁さん探し」の旅をするというお話です。

エスターハージーが旅したドイツは、東西統合前のベルリン。
旅に出たのは早春、イースターの数週間前でした。
旅の途中、ペットショップに捕まってイースターバニーとして
売られたり、百貨店のショーウインドウでイースターバニーと
してパフォーマンスをして一躍アイドルになったかと思えば、
イースターが終わるやいなや雇用主から捨てられたり……メル
ヘンのかたちをとりながら、人間社会への鋭い風刺が折り込ま
                    れた寓話になっています。
 そして、可愛いのに陰影に満ちて、どこかシニカルなミヒャエル・ゾーヴァの描く挿し絵も、この寓話の
 世界観にぴったり。ゾーヴァの絵は映画『アメリ』の小道具に使われたことでも有名になりましたね。
 この本の挿し絵は市販のポストカードの図柄などにも使用されているので、どこかでそれとは知らずに、
 エスターハージーを目にしている人もいるかもしれません。

(!)このサイトの企画および、画像・文章などのデータは、森うさぎの著作物です。
 無断転用は禁止します。必ず事前にお問い合わせください。


にほんブログ村 旅行ブログ 京都旅行へにほんブログ村 うさぎブログ うさぎ情報へ
にほんブログ村

------------------------------------------------------------------------------------------------
エスターハージー王子の冒険 (児童図書館・文学の部屋)

nice!(6)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

*「ふわふわしっぽと小さな金のくつ」 [うさぎの本]

fs.jpgデュ・ボウズ・ヘイワード作
マージョリー・フラック絵
羽島葉子訳 PARCO出版 (1993.08)

イースターの前夜に、幸せをよぶ卵を世界中の子どもたちに届けるイースターバニー。
心がやさしくて、足が速く、賢い、世界でたった5匹のうさぎだけが選ばれるというこの仕事は、うさぎたちの憧れでした。
そんな花形職業を目指す主人公は「ふわふわし
っぽ」とよばれる、いなかうさぎの女の子。
「高望みだよ」と金持ちうさぎやエリートうさぎに失笑されながら、やがて結婚して21匹もの子を持つ母親になり、賢い子育てとあたたかい家庭、憧れの仕事を両立させるというお話。

イースターの絵本のかたちをとりながら、アメリカ的なフェミニズムの寓話というのが初見の印象でしたが、よく読めば作者のデュ・ボウズ
・ヘイワードは1885年から1940年の人。
最近書かれた女性作家の絵本かと思ったら、こんな古い時代の男性作家が書いたお話だったとは。本書の作者プロフィールから、このお話は作者が自分の娘のために書いたものだと知って納得しました。
アメリカで本格的な女性解放運動が起こったのは1960年代ですが、さかのぼれば1920年代頃から社会進出して仕事や遊びを精力的にこなす「モダンガール」の存在がありました。作者の子育て期は、ちょうどそのころだったのでしょうか。そう考えると、新しい時代を生きていく愛娘への、父親の想いがよく伝わってくるお話です。そして、マージョリー・フラッグによるちょっとレトロなヨーロッパ風の挿絵が可愛い。今年のイースターパーティに、みんなで楽しみたい一冊です。

(!)このサイトの企画および、画像・文章などのデータは、森うさぎの著作物です。
 無断転用は禁止します。必ず事前にお問い合わせください。


にほんブログ村 旅行ブログ 京都旅行へにほんブログ村 うさぎブログ うさぎ情報へ
にほんブログ村

------------------------------------------------------------------------------------------------
ふわふわしっぽと小さな金のくつ
nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

*「ウサギのアンティーク絵葉書」(井出淳子 編) [うさぎの本]

ub.jpg海外の雑貨屋さんをのぞくと、イースターのうさぎが描かれた可愛いアンティークの絵葉書をよく見かけますね。
擬人化されたうさぎが卵にきれいな彩色をしていたり、楽器を奏でていたり、ヒヨコやヒツジ、人間の子どもたちとダンスを踊っていたり……。
そんな愛らしいアンティーク絵葉書がオールカラーで405枚も収録されている本を5年前に見つけました。
簡易辞書ほどの分厚さで、1册まるごとイースターバニーのカードデザインがぎっしり! 紙質がよく、印刷もきれいです。
眺めているだけでも楽しいし、日本ではあまり知られていない「イースター」というお祭りがどういうものかという解説や、アンティーク葉書の年代の見分け方なども載っていて、ちょっとしたトリビア性もうれしい。
普段はインテリアとして、きれいな扉絵を楽しめるように飾っておいて、毎年イースターのたびにページをめくる……そんなふうに大事にしていた1冊です。
ところがこの本、今は廃盤になってしまったようですね。さっき調べてはじめて知りました。残念です。
図書館や古書店などで目にする機会があったら、どうぞ手にとってみてください。
厳しい冬を耐え、新しい春をむかえて、大地や木々がいっせいに芽吹くこの季節。植物も動物も人も、すべての生き物が手をとりあって生命の復活のよろこびを謳歌する情景を描いた絵葉書の数々に、きっと心が和むでしょう。

(!)このサイトの企画および、画像・文章などのデータは、森うさぎの著作物です。
 無断転用は禁止します。必ず事前にお問い合わせください。


にほんブログ村 旅行ブログ 京都旅行へにほんブログ村 うさぎブログ うさぎ情報へ
にほんブログ村

------------------------------------------------------------------------------------------------
ウサギのアンティーク絵葉書
nice!(7)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

*「ウサギがはねてきた道」(川道武男 著) [うさぎの本]

usahane.jpg「三月ウサギ」という言葉があります。
「mad as a March hare(三月のウサギのように気が狂った)」という
イギリスの言い伝えからきた慣用句らしいですが、日本では『不思議の国
のアリス』に登場するキャラクターとしておなじみですね。
ウサギの発情期は3月がピークになるそうですが、ウサギ研究の権威であ
る著者・川道武男氏(理学博士)によると、その「三月ウサギ」の「mad」
な行動は、こんなふうだそうです。
「発情メスを追いかけるオスどうしが出会うと、立ち上がり、前足を使っ
てボクシングのように打ちあう(同書P238より)」
「一年のほとんどはひそやかな夜行性のヤブノウサギが、春先の明るい時
間に開けた場所で争っていれば、このように( “mad as a March hare”
と/筆者注)表現されても仕方あるまい。このときのオスは、いつもの警
戒心が吹き飛んでいて、興奮したオスは犬までも追いかけるという(同書
P238〜239より)」


この「三月ウサギ(March hare)」のほかにも、『不思議の国のアリス』にはもう1匹、アリスを不思議の国へ案内する「白ウサギ(White Rabbit)」が出てきます。日本語ではどちらも「うさぎ」ですが、英語では「hare」と「Rabbit」。このちがいも、この本を見れば納得できます。
ヘアとラビット
「野ウサギ」と「穴ウサギ」という区別がある。欧米の人は、野ウサギ(hare ヘア)と穴ウサギ(Rabbit ラビット)の区別にかなりこだわる。(中略)彼らが住む土地には、現実に二つの異なったタイプのウサギが生息しているからである(同書P44より)」


ほかにも、意外と知られていないウサギの生態「鼻でウィンクする」「ものをつかめない手」「歯をみがく」や、「ノウサギの耳はなぜ長い」など、興味深いトピックがいっぱいです。
ウサギ目にはウサギ科とナキウサギ科があって、著者の専門はナキウサギのほう。本書もナキウサギのことがかなりのボリュームで書かれています。
耳が小さく、からだも小さいナキウサギは一見、野ネズミのようでウサギとは別の生き物のように見えますが、わたしにとっては想い出深い「ウサギ」。小学校のころ、研究論文でナキウサギをテーマにして、小さな賞をもらったことがあったからです。
本書『ウサギがはねてきた道』の第1刷が紀伊国屋書店から発行されたのは1994年。もう20年近くも前の本になってしまいましたが、ウサギの生態を正しく知ることのできる一般書がほとんどなかった当時、うさぎと暮らしていた自分にとって、比較的やさしく書かれたこの科学選書がとてもありがたい存在だったことを忘れることはできません。

(!)このサイトの企画および、画像・文章などのデータは、森うさぎの著作物です。
 無断転用は禁止します。必ず事前にお問い合わせください。


にほんブログ村 旅行ブログ 京都旅行へにほんブログ村 うさぎブログ うさぎ情報へ
にほんブログ村

------------------------------------------------------------------------------------------------

ウサギがはねてきた道 (科学選書)

ウサギがはねてきた道 (科学選書)

  • 作者: 川道 武男
  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • 発売日: 1994/03
  • メディア: 単行本



nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー
前の5件 | - うさぎの本 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。