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*弁天さまとうさぎ(山科絵) [アートなうさぎ]

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諸芸上達、財運の女神として知られる弁財天さんのまわりに、子孫繁栄の吉祥獣、うさぎたちが集まって。
なんとも縁起がよく可愛らしい「山科絵(やましなえ)」の一点です(写真上)。
伏見の長建寺で開催中の山科絵展でみつけたうさぎアート。同寺のご本尊である弁財天と干支のうさぎに
ちなんだ、今年・この展ならではの作品です。もうひとつは、水郷伏見らしい「浪にうさぎ」(写真下)。
そういえば、弁天さんは水の神さまでもあるのですよね。
これからの季節に飾りたい涼しげな図柄で、もっちりとふくよかな白うさぎも気に入っています。

作家の山本義雄(やまもと・よしお)さんは、f2.jpg幻の民俗絵画「山科絵」を復活させた、
現代唯一の山科絵師です。
山本さんの画業が紹介された京都新聞2003年
4月15日の記事によると「山科絵は江戸時代
の前〜中期に生まれたとされ、半紙に神仏な
どの絵を描いて東海道を行き交う人に売られ
ていた」といいます。旅人たちがお土産、お
守りとして気軽に買える廉価な縁起もの。
大衆のためアートだったんですね。

▼「山科絵」について、もっと詳しく知りたい人はこちらをどうぞ。
過去の日記 *山科絵のうさぎ(山本義雄 作) 
http://usa-ch.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25

『山科絵展』は、5月29日(日)まで開催されています。
(10:00〜17:00、ただし25日(水)は休み)
水辺の緑が美しい初夏の週末、伏見の水郷・酒蔵めぐりをかねて立ち寄ってみてはいかがでしょう。

長建寺は伏見・中書島かいわいの観光エリアの中心にあります。
唐風の紅い楼門(写真下:上段左)は、どこか竜宮城を思わせる風情。かつて港町の廓の守護寺で
あったことを偲ばせます。寺内の手水に使われる「閼伽水(あかすい)」(写真下:中段左)は、
伏見の名水のひとつ。お寺のすぐ前は宇治川派流、十石舟乗り場。川の対岸には酒蔵が立ち並び、
名水の町ならではの風景が楽しめます。近辺には、伏見が運河と街道で栄え、幕末の動乱の舞台と
もなったことを伝える船宿や坂本龍馬ゆかりの地などが点在。ぶらりと歩くだけで、いくつもの歴
史スポットに出逢えるテーマパークのような一角です。
そして今回、思わぬところで「うさぎ」を発見。蓬莱橋の行灯に彫刻された「浪とうさぎ」(写真
下:下段左)。その意図は知りようもありませんが、かつての遊郭、蓬莱(不老不死の山)、伏見
(不死身ともよばれた)、うさぎ(月の使者、遊客にもたとえられた)……いろいろな意味が想像
できる粋な装飾ですね。

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(!)このサイトの企画および、画像・文章などのデータは、森うさぎの著作物です。
  展示作品の撮影および掲載は、作家さんの許可をいただいてます。
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*うさぎの祈り [アートなうさぎ]

inori1.jpg 先週末、京都市勧業館みやこめっせで開催された
 『春の京都で兎雑貨展』。
 昨日はそのなかで『東北地方太平洋沖地震ペット
 チャリティー』のことを紹介しましたが、もちろ
 んチャリティ商品以外にも、たくさんの魅力的な
 うさぎ雑貨たちがいっぱいでした。

 なかでも「祈り」をテーマに創作されたと思われ
 る、このうさぎたち。背中に羽根をつけた天使の
 ようなうさぎたちが、一心不乱に祈っています。
 “天使のうさぎ”というファンタジックなモチーフ
 はほかにもよく見かけますが、こんなにも真剣に、
 切実な想いが伝わってくる、うさぎ天使の「祈り」
 を見たことがあるでしょうか。
 これはファンタジーじゃない、作家の心の叫びな
 んだということが伝わってきます。


この祈るうさぎたちを創られた向坂典子さんの作品は、焼きものも張り子のうさぎも素敵なものばかりで、今後もまた機会があったら個展なども追いかけてみたいと思います。
近々では4月22日から、ギャラリーテラ清滝で同郷(若狭)の画家さんと二人展をされるようです。
嵯峨野の奥の清滝の、古民家を再生したギャラリーというロケーションもいいですね。

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▼ ギャラリー&ショップ テラさんのブログ
「渡辺淳・向坂典子 二人展のお知らせ」
 http://blog.terra2010.com/?eid=63

▼ 向坂典子さんのホームページ
 http://www.h5.dion.ne.jp/~ten-10/index.html

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*山科絵のうさぎ(山本義雄 作) [アートなうさぎ]

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昨年の11月に天神さん(北野天満宮で毎月25日に催される縁日)で見つけた、干支うさぎのミニ額絵。
独特の筆致と色づかいで描かれたこの絵(写真上)、「山科絵(やましなえ)」というのだそうです。
天神さんで自らお店を出されている作家の山本義雄(やまもと・よしお)さんは、幻となっていた山科絵を復活させた、現代ではただひとりの山科絵師。
山本さんの画業が紹介された京都新聞2003年4月15日の記事によると「山科絵は江戸時代の前〜中期に生まれたとされ、半紙に神仏などの絵を描いて東海道を行き交う人に売られていた」という民俗絵画で、旅人たちがお土産、お守りとして気軽に買える廉価な縁起ものだったそうです。

「山科(やましな)」は京都市の東にある区で、東端は滋賀県の大津市との県境にも接しています。
古くから交通の要所として知られていましたが、特に江戸時代には街道町として栄えたそう。
東海道を歩いて京都から大津へ行く人たち、または大津から京都へ入ってくる人たちはみな、県境の峠にあたる追分(おいわけ)でひと休みしたのでしょう。往時は宿場町としてたくさんのお店が軒を連ね、にぎわ
っていたそうです。そんな追分の大津側で売られていたのが「大津絵」、山科側で売られていたのが「山科絵」だったそうですが、交通の発達とともに宿場は廃れ、これらの絵も廃れていったようです。

古い文献などで山科絵の存在を知った山本さんは「地元の歴史を見直したい」「昔のように山科の名物にしていきたい」と1999年に山科絵を復興されたそうです(京都新聞同記事より)。
往時の山科絵は残っていないので技法やモチーフはさだかではありませんが、山科絵と同じルーツを持ち、かろうじて現代にその名を残していた「大津絵」から技法を学び、「大津より都に近い分、華やかさを取り入れるようにした」というのが山本さんの現代における「山科絵」。
素朴でユーモラス、やや荒削りな印象の大津絵にくらべ、山本さんの山科絵はより洗練され、現代のイラスト的な可愛らしさがあるところが気に入っています。色紙や額絵のほかに、小さな木の駒に描かれた根付けストラップなどもあります(写真下)。うさぎのほかにも、ふくろうや招き猫などの縁起のいい動物、七福神、山科にゆかりのある小野小町などのモチーフがしあわせを招いてくれそう。
 
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【記事の参考にさせていただいた資料・サイト】
*京都新聞(2003年4月15日)
*京の道 探検ブック(6) 山科編 京都国道事務所(平成18年6月発行)
*大津絵美術館
*東海道大名物 走井餅本舗:民衆文化 大津絵

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*龍馬うさぎ(進々堂) [アートなうさぎ]

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今年(卯年)の元旦は街の店頭で、迎春ポスターにもたくさんのうさぎの姿が見られましたが…。
なかでも個性的だったのが、これ。 ベーカリーショップ進々堂さんの「龍馬うさぎ」です(写真右)。
「みみまでうまいぜよ」のコピーをつぶやく龍馬うさぎの耳は、フランスパンになっています。
よく見ると、紋付の家紋までうさぎになっていて、芸が細かい(写真左下)。

さてこの進々堂さん、現在市内7か所にベーカリーレストラン・カフェを、デパ地下など6か所にベーカリーショップを展開する、京都ではおなじみの老舗パン屋さんです。
あらためて同店ホームページの会社案内を見てみると、創業は大正2年(1913)だそう。
創業者は聖書と近代思想を学んだクリスチャンで「パン造りを通して神と人とに奉仕する」という志のもとに進々堂を開業されたそうです。日本人として初めてパリへパン留学し、帰国後、日本で初めてフランスパンを製造販売したのもこの方だったんですね。
パリから帰った店主がドイツから輸入した窯で焼く“日本初のフランスパン”は「西欧文化の香りを求める当時の京都の人々から絶大な支持を得て…(同店ホームページより)」とあるのも、とてもよくわかります。京都人は日本古来の文化をかたくなに守る人々と思われがちですが、じつはとても新しいもの好き、ハイカラな食べ物が大好きなのです。京都では年配の人たちもいがいにパン好き、コーヒー好きが多く、そして昔からの美味しいパン屋さんやカフェも多いのです。そんな京都のハイカラ好き、パン文化の基盤を築いたのが、この進々堂さんの初代店主だったんですね。
そういえばこの初代店主と坂本龍馬、時代の先駆者として似ているなあと思うのはわたしだけでしょうか。

そして、龍馬うさぎの耳に使われているフランスパンも、ただものではありませんでした。
「フランス産小麦を使ったバゲットコンクール」で準グランプリを受賞した「レトロバゲット1924」。
「芸術の良心なしに このパンを味わう難し」と語る、初代店主の熱き想いを今に伝えるフランスパンです。

【記事の参考にさせていただいたサイト】
*進々堂 ホームページ:会社案内、レトロバゲット“1924”

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*鳥獣戯画のうさぎ(高山寺) [アートなうさぎ]

kzj1.jpg京都で「うさぎアート」といえば、まずこれ。
日本人なら、だれもがどこかで目にしたこと
のある、高山寺の国宝「鳥獣戯画」ですね。

写真(右上)は同寺拝観のさい、いただいた
栞です。このうさぎと蛙と猿をメインキャラ
クターに、狐、鹿など、さまざまな動物たち
が遊び戯れるさまを生き生きと描いた絵巻。日本最古のストーリー漫画ともいわれています。うさぎは貴族を、蛙は僧侶を象徴する風刺画という説もありますが、むずかしい話はぬきにしても、見ていると自然に動物たちの世界に入りこんでしまうようで、だれもが純粋に楽しめる、そんな魅力があふれています。
とりわけ感心するのは、動物たちの描写力。動きや身体の表情は人間にしか見えないくらい擬人化されているのに、それぞれの動物は、とてもリアルに特徴が表現されています。
たとえばうさぎなら、手脚のかんじや背中のまるさ、顔かたちはもちろん、しっぽのかたちまで(写真右下参照)。うさぎのしっぽは、よくイラストに描かれるような「まるいしっぽ」ではないのです。全身が白く
耳の先だけ黒いのは、野うさぎの冬毛の特徴です。
うさぎを本当に見て知っている人がきちんと描いているなあと、
うさぎ好きにはうれしくなってしまう絵です。kzj2.jpg

この作者は、どうしてこんなに動物をよく知っているんだろう。
そしてなぜこんな幻想的な物語絵巻を、じっさいに見ながら写生
でもしたかのように描けるのだろうと不思議だったのですが、数
年前高山寺を訪れてみて、その謎が解けた気がしました。
季節は秋の終わりでしたが、紅葉の名所・高雄からそう遠くない奥山にあるこの古刹は、まるで別世界のように森閑としていました。林の中を抜けていく石段の参道は、脇から野うさぎが跳ね出てきてもおかしくないようす。鳥獣戯画(の複製)が展示されている石水院で、縁側に座って庭を眺めると、静けさのなかで、秋草を揺らす風の音が聞こえます。じっと眺めていると、秋草の間に、僧衣をまとって座る狐や猿、酒宴の肴を運ぶうさぎたちの姿が見えてきそうな気がするのです。
ああここでなら、あの物語絵が生まれてもおかしくはない。そういう場所でした。
この鳥獣戯画、正式には「鳥獣人物戯画」といい、平安末期の高僧、鳥羽僧正覚猷(とばそうじょうかくゆう)の作ではないかといわれていますが、さだかではありません。甲乙丙丁の4巻からなり、ここで紹介したうさぎや蛙の物語は甲巻に描かれています。現在この甲巻と丁巻は東京国立博物館に、乙・丙巻は京都国立博物館に保管されています。

【記事の参考にさせていただいた資料】
・『NHK国宝への旅9』NHK取材班著、日本放送出版協会発行(S62.12. 第1刷)
・『年表日本漫画史』清水勲著、臨川書店発行(H19.6.1. 第1刷)
・『栂尾山 高山寺』拝観用リーフレットと栞

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